ヒーローとして
昔、men's barで店長してた事があります。
まあ、men's barとは名ばかりで、自分が店長やった時から、一気にmen's barからコミックbarへと様変わりして行きました。
働くスタッフも1から自分で面接し、見事に少数精鋭のお馬鹿さん達が集まり、店は毎日賑やかお祭り騒ぎ!
気づけば…そこら界隈では、一番の個性的な店となってました。
そんなある日、スタッフ~♪がお客様を送り出しに外へ出たと思ったら…店長!裏の川に酔っ払いが落ちたみたいです!と、血相変えて店の中へ戻って来た!!
常日頃、ヒーローになる為のイメージトレーニングを怠らなかった成果を出す時が来ました!
俺に任しとけ!!
スーツを脱ぎ捨てパンツ一丁になり裏の川へ!
何て事は無い、川の水はスネくらいしか無く溺れるほどではありませんでした!
ただ周りの壁が五メートルくらいあり、酔っ払いが登るには到底無理…んで、酔っ払いの兄さん大パニック!
しゃー!兄さん!今、店長助けに行きますよ!
川へと降り、兄さんに声をかける…お兄さん怪我ないですか?
誰だお前は?……men's barの店長です!
ここで何してる?…………こっちのセリフです!って言いたいのをグッとこらえ、兄さん上から落ちたみたいで!助けに来ました!
そうなの?ありがとう……。
さあどうやって助けようか?
兄さん足元おぼつかない……。
スタッフに助け呼んでくれ~と声をかける!俺達だけでは助けるの無理だ~!……
そして兄さん落ち着かせながら待つこと数十分……。
遠くからサイレンと共に消防隊員が来た!
……ハシゴ車で。
現場…上じゃないです!………下です!遠くから聞こえてくるかすかな声……
ハシゴ車意味ねーし……
サイレンの音で近隣住民が起き出し、何事かと?近くのマンションやらアパートの窓からベランダからと顔を出し川を覗きこむ……
消防隊員がライトで川を照らす!兄さん顔を隠し恥ずかしそう……。
自分顔真っ赤…パンツ一丁……どう見ても俺、変態です……どう考えても川に落ちたの俺の方……ありがとうございました……。
照らすだけ照らし首をひねる隊員達…。
んで、今ハシゴ持ってきますので、落ち着いて待ってて下さーい!
しばらくすると、近くの交番からハシゴを持った警官が走って来た!
急いでハシゴを下ろしてくれた!!
最初からそうしてくれよと思ったのは…言うまでも無い……
先に兄さんから上がってもらいました!
これで俺の任務は完了!
そして、いよいよ自分が地上へ……
もう、この時にはヒーローインタビューの準備万端です♬
上にあがると慌てて駆け寄って来る救急隊員……頭は打ってないですか?ん??
お酒はどのくらい飲まれましたか?……ん??
そして、救急車へと乗せようとする……様子がおかしい!何かがおかしい!?
間違いない!俺が川へ落ちた変態になってる!!
違う!違う!落ちたの俺じゃないです!!
俺は、助けに降りたんです!!
落ちた人は先に上がった人何です!!
……誰も聞いちゃくれない……。
何てこった……。
従業員も遠くで笑ってる……
周りで見守ってた人達も笑い堪えて、表情無茶苦茶だ!…
その後、どうにか必死に救急隊員に事情を話て誤解は解け店へと戻りその話しを肴に仕事しました♪
いや〜本当!人助けも楽じゃない!!
あの時、あの兄さんいったい何処行ったんだろう……ヒドイ……
お陰であれ以来パンツ一丁で、川に落ちた変態に成り下がったのは言うまでも無い……泣
さよなら!ヒーロー!!
ありますよね?そんなmen's barの人助け♪